
ワーケーションのデメリットとは?導入前に知っておくべき課題と対策を徹底解説
ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケーション」は、働き方改革や社員の満足度向上を目指す企業にとって注目の制度です。しかし、実際に導入を検討する際には、多くの課題やデメリットが浮き彫りになります。作業環境の不安や制度面の未整備、セキュリティリスクや評価制度の問題など、見過ごせない点も多数。本記事では、ワーケーションの代表的なデメリットとその具体的な対策について詳しく解説します。導入前の参考にぜひご活用ください。
ワーケーションとは?テレワークとの違い
「ワーケーション」とは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた新しい働き方です。テレワークが自宅やカフェなど職場以外の場所で仕事をするスタイルであるのに対し、ワーケーションは旅先や観光地など、休暇先で仕事を行うことが特徴。
企業主導で行うケースと、個人が自主的に実施するケースがあり、いずれも柔軟な働き方として注目されています。
一方で、従来の働き方とは異なる課題も多く、導入には慎重な検討が必要です。
ワーケーションの主なデメリットと課題
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ワーケーションは自由度の高い働き方ですが、導入や実施にはさまざまな課題がつきものです。慣れない土地での業務、制度や環境の未整備、費用面やセキュリティの懸念、評価制度の不備などが挙げられます。以下でそれぞれ詳しく解説します。
慣れない土地での仕事に集中できない
ワーケーションでは、普段と異なる土地や施設で仕事を行うため、環境の違いが業務の妨げになることがあります。たとえば、周囲の雑音や照明の違い、慣れない設備などが集中力を低下させる要因になるかもしれません。
また、観光地ではアクティビティの誘惑も多く、仕事に集中できず「仕事も休暇も中途半端」になってしまう可能性があります。働く場所の選定やルーティンの確立が重要です。
企業側の制度整備が不十分
多くの企業では、まだワーケーションを前提とした就業規則や労務管理の体制が整っていません。勤務時間の取り扱いや報告方法、労災の範囲などを明確にしておかないと、トラブルの原因になりかねないでしょう。
また、上司や同僚との連携不足による業務の停滞も懸念されます。制度面でのルールづくりと社員への周知徹底が必要です。
費用負担の課題
ワーケーションには交通費・宿泊費・通信費など、通常の勤務と比べてさまざまな追加コストが発生します。企業がどこまで経費として負担するかが曖昧な場合、社員側に金銭的な負担がかかり、モチベーション低下につながることもあるでしょう。
また、経費精算のルールが不明確だとトラブルの原因になりやすく、制度としての安定運用が難しくなります。
セキュリティ面のリスク
公共Wi-Fiや個人端末の使用など、ワーケーション中はセキュリティリスクが高まります。業務上の重要データに第三者がアクセスする恐れや、情報漏洩のリスクが高まるため、企業としての対策が不可欠です。
VPNやセキュリティソフトの導入、業務用デバイスの貸与など、事前に安全な通信・業務環境を整えておく必要があります。
仕事と休暇の境界が曖昧になる
ワーケーションは仕事と休暇を両立する働き方ですが、そのバランスをとるのは簡単ではありません。仕事に集中しすぎて休暇を楽しめなかったり、逆に観光に気を取られて業務に支障が出たりするケースもあります。
オンとオフの切り替えができないと、かえって心身の疲労が増してしまうリスクもあるでしょう。計画的なスケジュール管理が求められます。
人事評価が難しくなる
ワーケーション中は、上司の目が届きにくく、勤務状況や成果を正確に把握するのが難しくなります。その結果、勤務態度や成果に対する評価が不明瞭になり、不公平感が生まれるおそれがあります。
特にチーム業務では、評価基準のブレが大きな問題となるため、あらかじめ成果物や評価項目を明確に設定しておくことが大切です。
デメリットを解消するための6つの対策

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ワーケーションの効果を最大化するには、課題やデメリットへの対策が不可欠です。通信環境や制度の整備、セキュリティや評価方法の見直しなど、あらかじめ万全の準備をすることで、円滑な導入と継続的な運用が可能になります。以下で主な6つの対策を紹介します。
1. 通信環境や作業環境が整った施設を選ぶ
快適な通信環境と仕事に集中できる空間がなければ、ワーケーションの効果は半減してしまいます。宿泊施設を選ぶ際には、高速Wi-Fiの有無、電源の確保、ワークスペースの有無などを事前に確認しましょう。
最近では、ワーケーション向けに設計された専用施設やコワーキングスペース付きの宿も増えています。こうした場所を活用すれば、業務効率を落とさずに快適に働けます。
2. 就業規則や社内制度の見直しを行う
ワーケーションの導入にあたっては、既存の就業規則や社内制度の見直しが不可欠です。労働時間の管理方法や労災の適用範囲、出張扱いかどうかなど、細かなルールを明確にしておくことで、トラブルや誤解を防げます。
特に複数人で導入する場合は、ルールが不明確だと不公平感が生じやすいため、制度整備とガイドラインの周知をしっかり行うことが大切です。
3. 補助金や助成金制度を活用する
自治体や国では、ワーケーションの普及を目的とした補助金や助成金制度を設けていることがあります。たとえば、交通費や宿泊費の一部を補助する制度や、専用施設の利用支援などです。
企業がこれらを上手に活用すれば、社員の費用負担を軽減しつつ、導入のハードルを下げられます。導入前に利用可能な制度を調査し、必要に応じて申請手続きを行いましょう。
4. セキュリティ対策を事前に構築する
業務に関わるデータを外部に持ち出す以上、セキュリティ対策は必須です。公共のWi-Fiを利用する際は、VPNを活用することで、通信の暗号化が可能になります。
また、業務用端末の貸与やアクセス権限の制限、クラウド環境での作業なども有効です。万一に備えた情報漏洩対策やセキュリティポリシーの整備も行いましょう。
5. 労働時間の可視化と管理ツールの導入する
離れた場所で働くワーケーションでは、勤務時間の管理が難しくなります。そのため、勤怠管理システムや作業ログツールを導入し、労働時間の可視化を図ることが重要です。また、定期的なオンラインミーティングを設定し、進捗状況を共有することで、上司やチームとの信頼関係も維持できます。タイムトラッキング機能のあるツールを使えば、自己管理にも役立ちます。
6. 人事評価制度の工夫する
ワーケーション中の業務は、通常の勤務と異なり上司の目が届きにくく、評価が難しい傾向にあります。そこで、評価の基準を「成果物」や「達成度」に基づくものへとシフトし、評価の透明性を高める工夫が必要です。
また、日報や週報による報告制度の導入も、業務の見える化につながります。公平で納得感のある評価を行うための仕組みづくりが不可欠です。
ワーケーション導入を成功に導くポイント
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ワーケーションを円滑に導入し、社内に定着させるためには、段階的な取り組みと明確な目的意識が求められます。いきなり本格導入するのではなく、まずは試験運用から始め、課題を事前に洗い出すことが重要です。
試験導入(パイロット)で課題を事前に洗い出す
いきなり全社員に対してワーケーションを導入するのではなく、まずは一部の部署や社員を対象に試験導入(パイロット)を行うのがおすすめです。小規模に始めることで、通信環境・労務管理・業務進行上の課題を事前に把握できます。
そのうえで、フィードバックを元に制度や運用ルールを改善していけば、全社展開時にもスムーズな導入が可能になります。
目的の明確化と社員への周知徹底が鍵
「なぜワーケーションを導入するのか」という目的を明確にし、社員全体にしっかりと伝えることが重要です。目的が曖昧なままでは、制度が形骸化したり、社員のモチベーションを損なったりするリスクがあります。
業務効率の向上やチームビルディングなど、導入目的と期待される効果を明示し、社員の理解と協力を得たうえで導入を進めましょう。
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ワーケーション導入前にデメリットと対策をきちんと把握しよう
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ワーケーションは柔軟な働き方を実現できる一方で、作業環境や制度、セキュリティなど多くの課題を抱えています。特に企業側は、制度の整備や管理体制の構築が不可欠です。
しかし、デメリットを把握した上で適切な対策を講じれば、社員の満足度向上や業務効率化にもつながる可能性があります。導入前にリスクとメリットを天秤にかけ、自社にとって最適な形を見極めることが大切です。