連載【旅暮しのエトセトラ】
第9話:旅のつれづれ⑤
関西で人恋しくなる
〈京都東急ホテル〉

2022.04.07 STORY
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  • 杉井ギサブロー
  • 河治和香

 金沢から特急サンダーバードで関西に出る。
 一応まだ緊急事態宣言が出ていて、大阪の感染者数が断トツ多かったので、今回は大阪には泊まらず、京都東急ホテルに滞在する。
 京都東急ホテルは、京都駅から微妙な距離にある。歩くと20分くらい。タクシーだとワンメーターちょっと。
 後で気付いたのだが、ホテルと京都駅の間に無料送迎バスが走っているので、日中はこれが一番便利かも。
 窓を開けると、眼下は西本願寺である。落ち着いている。
 さらに、京都東急ホテルでは会員専用ラウンジがあって、お茶を飲みながら仕事をサクサク片づけることができる。朝から夜まで開いていて、すこぶる快適だ。

意外な〈おみやげ〉!

 旅も半ば過ぎて、ちょっと人恋しくなってきた。
 ふと……美容院に行こうと思いつく。
 考えてみたら、コロナ禍で、私は半年以上、美容院というところに足を踏み入れていなかった。(前髪など伸び放題だけれど、パッチン留めでおでこ全開!)もはや、おしゃれは忘却の彼方だ。
 ホットペッパービューティーのヘアカタログで気に入った髪型を見つけ、ネットで調べてみたら、京都市内にある美容室で、しかも完全個室だというので予約をした。
 京都市役所前の〈ZEN〉という美容室。気に入ったスタイルを担当した人にお願いしたのでスタイリングもスムーズ。1年ぶりくらいにパーマまでかけてもらってしまった。
 この時期、個室というのは、なんとなく安心できて、すっかりリラックス。
 実は。
 この「旅先でパーマ」は、思いがけなく楽しい「おみやげ」に……。
 旅から戻って数ヶ月の間、髪を洗ってドライヤーで乾かすたびに、きれいなパーマが甦って、「あの時の京都、楽しかったな」と思い出もよみがえってくるのであった。

なんだか人恋しくなる……

 美容関係では、関西に行くと必ず立ち寄るところがある。もう10年くらい、ぽつりぽつりと通い続けているのは……。
 それは……耳そうじ!!
……ええ、もちろん、「耳掃除は耳によくない」という説があることも、よくわかっているんです。でも、1年に1回か2回くらい、いいんじゃないの?
と、開き直って通っている、耳のお掃除専門店、心斎橋の〈ニューロベリア〉。
施術中は、スコープで耳の中が映し出され、〈おそうじ〉の過程がよくわかる。いやもう、神業のような技術で耳の中だけでなくて頭もスッキリ(快感!)
ついでに顔と頭のマッサージも。ここのマッサージは、エステ系とは少し違っていて、顔のコリがほぐれるというもの。結果として顔の艶もよくなるのだけれど……ひとりで過ごしていると、表情筋を使わなくなるせいか……顔がものすごく凝っているらしい。
施術後は、なんというか「顔が軽くなる」というか、笑ったりするのがすごく楽ちん。その変化には毎回驚くばかりで、大阪に行くとリピートしたくなってしまうのだ。
……たまには、人に触れられる、ってやっぱり大事かも、としみじみ思う。

関西で、なぜかホットケーキ!

 個人的な好みでいえば……ホットケーキが好きなのである。
 ところが、私の好きな昔ながらのホットケーキは、万世橋の「万惣」も、日本橋の「花時計」も閉店してしまって、今は東京では「銀座ウエスト 青山ガーデン」でたまに食べるくらい。
 大阪に行くと、時間があれば食べに行きたくなるのが、東梅田の純喫茶「サンシャイン」。
JR大阪駅から、ちょっと距離があるけれど、ホットケーキの為ならば! 地下道をガシガシ歩いてゆくのだ。
 ふんわり、もっちり、昔からのホットケーキ。しあわせだ。もちろん、今回も食べた。

(外食自粛だけど、これくらいは許してもらおう、と心の中で言い訳する)

京都の昔からのお土産といえば……

 京都はおいしいものがたくさんあるので、迷ってしまう。
 昔からのお土産で……古くからの京都を知る時代劇の映画監督さんたちに教えていただいたお土産を2つほど紹介しておこう。
 ひとつは、チリメン山椒の「はれま」。
 この頃は、高島屋などのデパートや、支店もいろいろできて手軽に買えるようになったけれど、昔は五条の本店までタクシーを飛ばして買いに行ったものであった。
 今は、祇園などの街中にも支店があるので便利。
 もうひとつは、昆布・吹き寄せの「ぎぼし」。
 とろろ昆布も美味しいけれど、酢こんぶとか、ぶぶあられなど、ちょっとした京都らしいお土産が購入できる。日持ちするものばかりなのも、うれしい。

バドガシュタインラドン222!!

 ところで、京都東急ホテルの周辺は、はっきり言って何もない。道の向こうにローソンがあるくらいだ。
 夜になるとシーンとしている。
 毎日だとホテルのお風呂にも飽きてくる。
 そうだ……銭湯に行こう。ホテルから5分ほど歩いたところに、〈五香湯〉というのがあったので、思い切って出かけて行ってみた。
 いわゆる街の銭湯である。深夜12時まで営業している。けっこう地元の人で混んでいる。1階は、ふつうの銭湯なのだが、よく見るとみんな階段を上の階に上がっていくのである。
 2階にも大きな浴槽があった。見た目はふつうのお風呂だけれど、案内版を見ると、「バドガシュタインラドン222」とある。
 ……バドガシュタインラドン222って、なに?
 壁面の解説を読むと、オーストリアで発見された鉱泉だとか。
 ヒトラーが金塊を探して、ある山を掘らせたところ、金塊は見つからなかったものの、工夫たちがみな元気になった……というウソみたいな話が書いてあった。
 よくわからないけれど……たしかに、なんか疲れが取れる感じ。
 ……関西は、電気風呂系の、怪しげな(でもたぶん、何か効果のありそうな)こうした「温泉銭湯」がたくさんあるので、ホテルのお風呂に飽きたら、近くの銭湯を探検してみるのも面白いかも。
 その晩、荷造りしていたら強烈な睡魔に襲われて、居眠りしてしまった。
 ……おそるべし、バドガシュタインラドン222!



文・河治和香  歴史時代小説作家

東京葛飾柴又生まれ。

日本大学芸術学部映画学科卒業後、CBSソニーを経て、日本映画監督協会に勤務。

主な著書に、「がいなもん松浦武四郎一代」(第25回中山義秀文学賞、第13回舟橋聖一文学賞受賞)、「ニッポンチ!」、「遊戯神通伊藤若冲」(以上、小学館)、「どぜう屋助七」(実業之日本社)など。

イラスト・杉井ギサブロー  アニメーション映画監督・画家

沼津生まれ、原宿育ち。

東映動画に入社し、日本初の長編アニメ「白蛇伝」の製作にかかわる。その後、手塚治虫の虫プロ創立に参加。「鉄腕アトム」、「まんが日本昔ばなし」、「タッチ」、「キャプテン翼」などのテレビアニメ、劇場用映画として「ジャックと豆の木」、「銀河鉄道の夜」、「あらしのよるに」など多数。

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