
琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社
代表取締役会長兼社長
早川周作様

プロスポーツチームを運営する琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社。「スポーツに新しい循環モデルをつくる」というビジョンのもと、沖縄に本社を置きながらTリーグ参戦に伴い全国各地で活動しています。事業拡大に伴い全国への出張が日常業務となる一方、近年のホテル代高騰は大きな経営課題となっていました。
本記事では、コスト削減という課題解決はもちろん、社員の時間創出や経理の業務効率化といった、全社に多面的なメリットをもたらした定額宿泊サービス「ツギツギ」の導入効果について、同社・代表取締役会長兼社長の早川周作様にお伺いしました。
◤BEFORE
- 変動する宿泊費の高騰が経営に大きなインパクトを与え、大きな経営課題だった
- スタッフがホテル探しに多くの時間を費やし、本来の業務に使うべき思考のリソースを消費していた
- 各スタッフが個別で宿泊先を手配し、チーム単位での予約も各自で行っていた
◤After
- 定額制で出張コストが削減され、経理の管理コストも削減された
- ホテル選びの時間が不要になり、社員が本来の業務に集中できる環境が整った
- 従来よりグレードの高いホテルに宿泊できるようになり、チームでの一括予約もスムーズになった
沖縄から全国へ—。事業拡大の裏で深刻化していた「宿泊費の高騰」という名の経営課題
‐琉球アスティーダスポーツクラブ様の事業概要をお教えください。
早川様:プロスポーツチームの経営を主軸に事業を展開しております。単にチームを運営するだけでなく、「スポーツに新しい循環モデルをつくる」というビジョンを掲げているのが特徴です。
その具体的な取り組みの一つが、経営者コミュニティ「アスティーダサロン」になります。スポーツを応援しながらPRやCSR活動につなげていただくだけでなく、経営者同士が学び合い、ビジネスネットワークを築ける場として全国に広がりを見せています。
‐御社では出張はどれくらいされているのでしょうか?
早川様:琉球アスティーダというTリーグ(プロ卓球リーグ)のチーム運営をしているため、全国各地での試合に伴う移動が常に発生する環境です。加えて、管理部門は東京証券取引所への鞍替え準備のため東京に拠点を移しており、東京のメンバーが沖縄本社へ定期的に出張する必要もあります。結果として、社員は日常的に全国を飛び回っている状況です。
‐出張の中でどのような課題に直面していたのでしょうか。
早川様:最大の課題は、ホテル代の高騰でしたね。移動費は大きく変わらない一方で、宿泊費がインフレやインバウンドの影響を受けて急騰していました。例えば、コロナ禍では1万円前後で宿泊できたホテルが、3万〜5万円にまで上がるケースも珍しくない状況です。さらに、ダイナミックプライシングの影響で繁忙期の価格が大きく変動することも、悩みの種でした。
頻繁に出張が発生する弊社にとって、この宿泊費の変動と高騰は、経営に直接的なインパクトを与える非常に大きな経営課題だったと言えます。
「使わない理由はない」と即決。信頼のブランドと課題解決への“必然性”が導入を後押し
‐どのような経緯でツギツギを知り、導入を決断されたのでしょうか。
早川様:ツギツギを知ったのは、X(旧Twitter)でいただいたDMがきっかけでした。普段、DMをいただいた知らない方と直接お会いすることはほとんどないのですが、ご提案内容に直感的に惹かれるものがあり、一度お話を伺うことにしたんです。
ちょうどホテル代の高騰という経営課題に直面していましたので、「定額制でコスト削減が可能」というご提案は、まさに我々が求めていたものでしたね。会員制ホテルのような「会員権」という仕組みは知っていましたが、「定額制」というアプローチは非常に新鮮に感じました。また、「東急ブランド」への信頼感も大きかったのもポイントでした。
実際にお話を聞いて、これは我々にとっての“必要性”と“必然性”を満たすサービスだと感じ、「使わない理由はない」とスピーディーに導入を決めました。
‐導入当初から定着までの社内での活用状況を振り返るといかがですか。
早川様:申し込みは2024年の2月に行ったのですが、当時は鞍替え準備やリーグの繁忙期が重なってしまい、正直なところ利用開始が後回しになっていたんです。せっかく良いサービスを契約したのに、まさに“宝の持ち腐れ”という状態でした。
その後、東急さんから活用についてご案内をいただいたことをきっかけに、本格的な利用へと舵を切っております。具体的には、弊社の財務・総務担当とツギツギのカスタマーサポートの方で打ち合わせの場を設けてもらい、利用フローを整備していただきました。これにより、スムーズに社内へ定着させることができた、という流れです。その際のサポートのレスポンスが非常に早く、相談しやすかった点も印象に残っています。
出張の質向上から経理の工数削減まで。全社にメリットをもたらしたツギツギの多面的な価値
‐導入前と比べて、出張手配やホテル選びの面でどんな変化がありましたか。
早川様:導入以前は、社内規定の範囲内で各スタッフが宿泊サイトを比較し、最も安いプランを探して予約するというフローでした。コストを抑える意識は徹底されていましたが、その分、ホテルを探し出すための時間や手間、いわゆる“思考のリソース”をかなり消費していたのです。
私は、この「ホテル選びにかける時間」も重要なコストだと考えています。経費と同じように、社員の時間をどこに投資するかは経営において非常に重要な観点です。例えば、これまでホテル選びに10分かかっていたとします。ツギツギで選択肢を絞り込むことで、その10分が不要になる。月に3回出張する社員なら、それだけで1時間近い時間のレバレッジがかかる計算になりますよね。まさに「時間を買う」という感覚に近いかもしれません。
結果として、宿泊費という直接的なコスト削減だけでなく、社員一人ひとりの時間的コストを削減し、各自が本来の業務に集中するための時間を創出できた点が、非常に大きな変化だと感じています。
–実際にサービスを利用してみて、特にどのような点に効果や魅力を感じていますか。
早川様:ツギツギの魅力は、単なるコスト削減効果だけではない点ですね。
もちろん宿泊費を抑えられるのは大きいのですが、それ以上にホテルの質の高さに満足しています。例えば、通常であれば6〜7万円はするセルリアンタワー東急ホテルにも、特別優待プランで予約すると格安で宿泊できることもあります。経営陣が出張する際などにも、質の高いホテルを選べるのは大きなメリットだと感じています。
また、我々はチーム単位で移動することも多いのですが、複数名での一括予約が非常にスムーズになりました。以前は各自で手配していましたが、今では「監督とコーチ陣はこのホテル」といった形で、10人規模の団体でもまとめて予約できるので、管理の手間が大幅に削減され大変助かっています。
予約の柔軟性が高い点も魅力の一つでしょう。予約枠は2ヶ月前から利用可能ですが、急な出張にも対応できます。実際に、来週に控えている福岡出張も、昨日スムーズに予約を完了できました。
–実際にツギツギを利用して出張をされている社員の皆さまからの反応はいかがですか?
早川様:各方面からポジティブな声が届いています。
まず管理部門からは、期待通り「出張コストを確実に削減できた」という声がありました。
また、経理担当にとってもその効果は大きく、これまでは予約サイトごとに発生していた領収書の提出や承認といったワークフローが一本化されたことで、管理コストの削減に直結していると聞いております。
そして出張する社員自身も、従来利用していたビジネスホテルよりグレードの高いホテルに宿泊できる点は、大きなメリットになっているのではないでしょうか。
初期ユーザーだからこそ語れる本音。サービスの成長過程と、それでも変わらない“原点”への期待
–ツギツギのサポート体制についてはいかがですか?
早川様:サイトのUIが非常に直感的で優れているため、導入時に社内で特別な研修を行う必要もなく、混乱が起きることは一切ありませんでした。
サポート体制に関しては、私たちはサービスの初期段階から利用しているからこそ、その進化を肌で感じています。率直に申し上げて、サービス開始当初はまだ発展途上の部分もあったかもしれません。
しかし、事業が成長するにつれてCS体制が目に見えて強化されていく過程は、さすが東急さんと申しますか、大企業ならではの改善プロセスだと感じました。今では、安心して利用できる素晴らしいサービスになっていると評価しています。
–今後の期待や懸念点、またツギツギを勧めたい企業像についてお聞かせください。
早川様:今後の懸念点を挙げるとすれば、昨今のホテル代や人件費の高騰を受け、将来的に価格改定の可能性がある点です。ただ、このサービスの根幹にある強みは、本来BtoCである宿泊サービスをBtoBの定額制へと転換し、ホテル側の稼働率向上にも貢献しているという独自のビジネスモデルだと感じています。サービスが生まれたこの原点を大切に、今後も価値あるサービスを提供し続けていただけると、既存顧客として大変嬉しく思います。
どのような企業におすすめしたいか、という点では、正直なところ「すべての企業」に一度お話を聞いてみる価値があると考えています。まず取り組むべきは、自社の経費管理システムから年間のホテル代を算出し、「ツギツギ」を導入した場合にどれほどのコスト削減効果が生まれるのかを、一度シミュレーションしてみることではないでしょうか。特に、全社員の合計で月に10泊以上の出張が発生している企業であれば、目に見える大きな効果を実感できるはずです。
(取材日:2025年8月)