連載【旅暮しのエトセトラ】
第12話:旅のつれづれ⑧
その他のステイしたホテルのこと
〈札幌エクセルホテル東急〉
〈神戸元町東急REIホテル〉
〈那覇東急REIホテル〉

2022.04.28 STORY
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 実は、長期滞在したホテル以外にも、移動の途中〈つなぎ〉的に一泊したホテルについても、少しだけ感想を綴っておこう。

ゆったりした雰囲気の〈札幌エクセルホテル東急〉

 北海道にも家があるのだけれど、この際だから……と札幌エクセルホテル東急に泊まってみた。
 今回宿泊した東急ホテルの中では、部屋の間取りが一番昔風(?)だったけれど、ツギツギ利用者はツインの部屋なのでゆったりしている。
 ロケーションは、札幌駅や、町の中心地の大通とは地下鉄南北線でつながっているし、すすきのの繁華街も近くて利便性はいい。
 それよりも最寄り駅の駅名でもある中島公園がすぐそばで……この公園は広大で四季折々、とてもすてきなのだ。

地元情報をふたつほど……

 ひとつは、ホテルの近くに2つもあるコンビニのセイコーマート。道民に「セコマ」と呼ばれて愛されている北海道を中心にしたコンビニチェーンなのだが、この店の品揃えが地元の食材などが揃っていて独特なので、道外からの来訪の折にはぜひチェックを。
 もうひとつ。
札幌エクセルホテル東急の最寄りの出口は、中島公園駅2番。ホテルへは右に行くところを、逆の左にちょっと行ったところに、〈モン・ジェリ(MONT・JELI)〉という洋菓子店がある。ケーキも美味しいんだけれど、ここの名物は、なんといっても……カヌレ。
 このモン・ジェリのカヌレは、外はカリッ、中はモッチリ、そしてお酒の香りが漂う大人の味。私はここのカヌレで、はじめてカヌレの美味しさに目覚めたのであった……ふふふ。

仕事がはかどりそうな〈神戸元町東急REIホテル〉

 関西では、仕事の都合で神戸に一泊することになり元町にある神戸元町東急REIホテルに泊まったところ(ちなみに、神戸には元町の隣駅の三宮にも、神戸三宮東急REIホテルというのがある)、私はこの元町のREIホテル、すごく気に入ってしまった。
 REIホテルはいわゆるビジネスホテル風。
 部屋はそう広くはないけれど、一泊で荷物が少なければ(大荷物は宅急便で次の宿泊地に送っていたので)、ぜんぜん問題ない。
 私が気に入ったのは……部屋の中に、テーブルと椅子のセットが2種類も設置されていたこと。それでいて、部屋はさほど狭く感じられない。絶妙な部屋のレイアウトなのである。

 小さくてもソファがあるとくつろげるし、デスク代わりの大きめ丸テーブルは……なんと、高さ調節ができるのであった。パソコンに向かっていると机と椅子の高さが合わず腰が痛くなったりしていた私は、「仕事するなら……ここがいいかも!」と、ちょっぴり感激。

活動拠点に利用しやすそうな〈那覇東急REIホテル

 那覇は、乗り継ぎのために一泊しただけだったので、ほとんど空港とホテルを往復しただけだった。
 でも、その点からすると、那覇東急REIホテルは空港からの便がなかなかよい。
 空港からモノレールで一本、旭橋という駅で降りると、駅直結である。
 (直結といっても、距離はそこそこある。駅からは長い連絡橋でつながっているのだ)
 ホテルの近くにコンビニが2つ。
 朝食は、ホテルで焼いている香ばしい焼きたてのパンや、野菜たっぷりスープなど……けっこうボリュームのある内容だった。
 あと……ここはバスダブがなくて、シャワーのみなのだけれど、このシャワーが上からだけでなく横から(?)もお湯が出てくる最新式で(っていうのか? 私が古い人間なのかもしれないけれど、こういうシャワー、始めて使った!)これが、すごく快適だった。

 沖縄の梅雨時は湿度が高くてすぐ汗だくになってしまうから、こうした高機能シャワー付の方が便利かもしれない、と納得。
 それにしても、このふたつはいわゆるビジネスホテルに分類されるのだろうけれど、従来の〈いわゆるビジネスホテル〉とはちょっと違っていて、とってもおしゃれで、そして非常に機能的。
 リゾートホテルも、昔ながらのクラシックなホテルも、ビジネスホテルも……組み合わせによっていろいろ味わえるのも、このツギツギスタイルの旅の楽しみ方かもしれない。



文・河治和香  歴史時代小説作家

東京葛飾柴又生まれ。

日本大学芸術学部映画学科卒業後、CBSソニーを経て、日本映画監督協会に勤務。

主な著書に、「がいなもん松浦武四郎一代」(第25回中山義秀文学賞、第13回舟橋聖一文学賞受賞)、「ニッポンチ!」、「遊戯神通伊藤若冲」(以上、小学館)、「どぜう屋助七」(実業之日本社)など。

イラスト・杉井ギサブロー  アニメーション映画監督・画家

沼津生まれ、原宿育ち。

東映動画に入社し、日本初の長編アニメ「白蛇伝」の製作にかかわる。その後、手塚治虫の虫プロ創立に参加。「鉄腕アトム」、「まんが日本昔ばなし」、「タッチ」、「キャプテン翼」などのテレビアニメ、劇場用映画として「ジャックと豆の木」、「銀河鉄道の夜」、「あらしのよるに」など多数。

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